性交痛

性交痛とは

性交痛とは、性行為中や性交後に感じる痛みです。20〜40代の女性の7割以上が、性交の際に痛みを感じることがあると答えたリサーチ結果などもあります。痛む場所としては、膣の入口・膣のなか・膣の奥があり、どのようなときにどこに痛みを感じるかは人それぞれです。痛み方も、ひりつき・刺すような痛み・ズキズキするなど、さまざまです。

性交痛の原因

膣の入口・浅い部分の痛み

乾燥

外陰部や膣が乾燥していると、挿入時に痛みます。膣はふだんから水分保持されていますが、挿入するためには、さらに膣潤滑液が分泌され、女性器が滑りやすい状態が必要です。前戯が足りない状態や、前戯をおこなっても女性にストレス・不眠・疲労がある場合、膣潤滑液が十分に分泌されず、性交痛が起こります。また、更年期に入ると女性ホルモンが減少します。そうすると、膣分泌量や水分保持力が低下します。さらに膣粘膜の萎縮も要因となって、性交痛が起こります。

性器のサイズ

膣が狭いことや男性器が大きいことが性交痛の原因となっている場合もあります。

皮膚疾患

外陰部が痛む場合は、皮膚疾患の可能性があります。ナプキンや衣類が合わないときに発症する接触性皮膚炎のほか、皮脂の分泌による脂漏性皮膚炎や感染症などが原因です。

膣炎

膣のなかがこすれて痛い場合は、トリコモナス膣炎・カンジダ膣炎・萎縮性膣炎などが原因かもしれません。とくに、おりものの変化・頻尿・かゆみなどの症状がある場合は、膣炎の可能性が高いため、早めに検査にいらしてください。

そのほか

ラテックス製のコンドームに対するアレルギー皮膚病、ラテックスアレルギーが原因の場合もあります。ひりつき・かゆみ・じんましんなどの症状が現れ、重度の場合は呼吸困難に陥るケースもあるため注意が必要です。また、メンタル的な原因から痛むこともあります。過去の性交の痛みへのトラウマ、性行為への罪悪感・不安・緊張、パートナーとの関係性についての悩み、妊娠への不安感などが痛みを引き起こします。

膣の奥の痛み

体位

体位によって痛むことがあります。この場合は、パートナーとの工夫によって改善することができます。

子宮内膜症

子宮内膜症は、子宮の内側にある子宮内膜が、ほか場所にできる疾患です。子宮内膜が周囲の組織と癒着を起こしていることで子宮が動いたときに痛みをもたらします。急に月経困難症(PMS)が悪化した場合や排便の際に痛むようになった場合などは、子宮内膜症が疑われます。

子宮筋腫

子宮筋腫は、子宮にできる良性腫瘍です。病気ではありませんが、奥まで突かれると子宮が動いて痛む場合があります。生理痛が重い・貧血・便秘・頻尿などが気になる場合、子宮筋腫が疑われます。

骨盤内炎症性疾患

子宮頸部・子宮・卵管・卵巣などの上部女性生殖器の複数菌感染症を、骨盤内炎症性疾患と言います。淋菌感染症やクラミジア感染症が代表的です。おりものの増加・排尿時の痛みなどがみられる場合、骨盤内炎症性疾患が疑われます。

骨盤内の癒着

子宮筋腫・子宮外妊娠・卵巣のう腫・虫垂炎などで、手術をした部分が骨盤内で癒着してしまうことによって、性交痛を起こすことがあります。

性交痛の治療・対策

当クリニックの治療

性交痛には、さまざまな原因があります。疾患が隠れていることもあるため、パートナーとの工夫で改善されない場合はクリニックを受診しましょう。
当クリニックでは、まずは患者さまの症状や状態をお伺いします。そのうえで必要な場合は適宜検査をし、治療をおこないます。処方する潤滑ゼリーやお薬の内服によって治療可能なケースもあります。婦人科疾患である場合でも、高度な専門知識や技術と、豊富な経験に基づいて、適切に治療させていただきます。

当クリニックの院長は、さまざまな専門医としての認定を受けています。

  • 日本産科婦人科学会 専門医/指導医
  • 日本周産期・新生児医学会 周産期専門医/指導医(母体胎児)
  • 日本女性医学学会 女性ヘルスケア専門医

など

性交痛で不安な方は、ぜひご相談ください。

自宅でのセルフケア

性交痛の予防や症状の緩和には、デリケートゾーン用の保湿液を使用し、日常的にケアをすることが大切です。また、婦人科疾患ではない場合は、パートナーと相談して工夫することがもっとも大切です。

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